和室リノベーションの費用相場やおしゃれな施工例を画像つきで解説!
和室は日本の家ならではの良さがありつつも、洋室を比べるとどうしても維持が大変です。住まいの和室を持て余しているという方の中には、リノベーションを考えている方もいるのではないでしょうか。
和室のリノベーションには何通りものパターンがあり、そっくり洋室に変更することもできれば、和の雰囲気を残したモダンな空間につくり変えることもできます
今回は和室のリノベーションをテーマに、リノベーションのパターンや工事内容別の費用相場を解説します。おしゃれな和室をつくるポイントも紹介するので、ぜひ参考にしてください。
和室リノベーションの種類にはなにがある?
古民家とは、日本の伝統的な工法で建てられた住まいのうち、築年数がか和室リノベーションは、主に以下の3種類があります。
- 和室から洋室へ
- 和室を和モダンな空間へ
- リビングに取り込む
1つずつ見ていきましょう。
和室から洋室へ
和室から洋室へのリノベーションは、昔から根強い人気がある工事です。
畳は家具の重みで畳に跡がつきやすい、ダニやカビの温床になりやすいといったデメリットがあります。また、表替えや裏返しといった定期的なメンテナンスも必要です。
一方でフローリングは、畳ほどカビやダニが発生する心配がなく、メンテナンスの手間もかかりません。使い勝手の良さから、洋室への変更を望む方が多くいます。
和室を和モダンな空間へ
近年ニーズが高まっているのが、和室を和モダンな空間へ変えるリノベーションです。
例えば、もともとある畳を残し周囲にフローリングを組み合わせる、ふすまや壁を取り払い、リビングで使える畳スペースに変更するなど、和洋折衷でモダンな雰囲気の空間へ生まれ変わります。
和室を洋室へ変える工事ほど手間がかからないため、費用も抑えられます。和のテイストも残せるので、畳の良さをまったく無くすのは惜しいという方にもおすすめです。
リビングに取り込む
開放感のあるLDKをつくるなら、和室をリビングに取り込む間取り変更のリノベーションという選択肢もあります。この場合、和室がリビング横にあることが前提です。
和室のスペースがそのままリビングになるので、広々としたLDKを実現できます。リビングの拡張を考えている方におすすめの工事です。
和室リノベーションと和室リフォームの違い
「和室リノベーション」と「和室リフォーム」の違いは、明確に区別されているわけではありません。しかし、リノベーションとリフォームはそれぞれ以下のようなニュアンスが含まれています。
- リノベーション:既存の状態に工事を加えて新たな機能や付加価値を与える
- リフォーム:老朽化した部分を改修し新築時の状態に近づける
リノベーションが「+αの価値を与える工事」だとしたら、リフォームは「マイナスをゼロに戻す工事」といえます。
これを和室に置き換えてみると、洋室へ変更する、和モダンな空間に変える、リビングへ取り込むといった工事はリノベーションに分類されるでしょう。一方で、畳の張り替えや和室の劣化箇所の修繕といった工事は、リフォームに分類されるケースが多いです。
和室リノベーションの費用相場
和室リノベーションの工事内容ごとの費用相場を一覧にまとめました。和室の広さは6畳を目安にしています。
工事内容 | 費用相場 |
畳をフローリングへ | クッションフロア:10万円前後複合フローリング:15万円前後無垢フローリング:22万円前後 |
押入れをクローゼットへ | 8~20万円 |
ふすまを開き戸・引き戸へ | 3~22万円 |
壁の撤去 | 5~6万円 |
壁紙の修繕 | 塗り替え:12~19万円クロス張り:8~16万円 |
天井の修繕 | 塗り替え:9~34万円クロス張り:4~10万円 |
掘りごたつの設置 | 20~60万円 |
和室を洋室へ(全面) | 75~100万円 |
リビングと和室を一体化(リビングの拡張) | 50~100万円 |
リビング内の畳スペースへ(間仕切り・引き戸なし) | 30~60万円 |
工事内容にもよりますが、和室のリノベーション費用のボリュームゾーンは50~80万円ほどです。もちろん、選ぶ素材のグレードによって上記の費用相場は変わります。
和室リノベーションのおしゃれな施工例
では実際に、和室のリノベーション事例を2つ見てみましょう。
古い和室をモダンな空間へ
Before
After
昔ながらの和室を、和モダンな雰囲気へリノベーションしました。
畳をフチなしの琉球畳にして隣り合う畳の色を変化させることで、デザイン性も上がっています。
庭へ続くガラス戸に障子を設置し、統一感のある空間へ生まれ変わりました。
壁紙・畳・天井など内装を一新
Before
After
畳をはじめ壁や天井、木枠といった和室の内装を一新しました。
クリーム色の壁にかかるダークブラウンの木枠がアクセントになっています。
ブルーの畳が、モノトーンの空間にメリハリを与えています。
和室リノベーションのデザインのポイント
モダンでおしゃれな和室リノベーションを行うなら、以下のポイントを押さえておきましょう。
- 配色では「補色」を意識する
- 質感やデザインにこだわる
- 間接照明を活用する
- フローティング収納を取り入れる
- ふすまや障子を建具にする
1つずつ解説します。
配色では「補色」を意識する
おしゃれな和室にしたいけれど、クロスや畳、天井の配色に悩むという方もいるでしょう。同系色でまとめるのも統一感が出て良いですが、メリハリを利かせるのであれば「補色」を選ぶのもおすすめです。
補色とは「反対色」ともいわれ、互いをもっとも際立たせる2つの色の組み合わせを指します。補色同士の関係は、以下のカラーチャートを見るとわかりやすいです。
上記の図で、矢印でつながった2色は補色関係にあります。黄緑と、その向かいに位置する紫です。
補色関係にある色は互いにアクセントになるため、差し色として内装に活用しても良いでしょう。逆に落ち着いた雰囲気にするのであれば、補色ではなく同系色で部屋をまとめるのがおすすめです。
内装の質感やデザインにこだわる
内装の素材やデザインにこだわると、一気に雰囲気のある空間へ仕上がります。
例えば壁紙は、一般的なクロスでなく、塗り壁や和紙、木質系の壁紙など質感に味があるものを選ぶと、和のテイストや美しさが際立ちます。畳は、フチがなく正方形の「琉球畳」が、モダンな雰囲気によく馴染むでしょう。
味のある質感・デザインの壁紙や畳は、和室リノベーションにぜひ取り入れたいところです。
間接照明を活用する
壁や床がフラットな洋室に対し、和室は床の間の段差や露出した柱や梁など、凹凸のある構造が特徴です。
間接照明を取り入れると凹凸の間に影ができ、陰影のあるシックでおしゃれな空間に仕上がります。
メインの照明と灯りの色を合わせれば、部屋全体に統一感も出ます。吊り押入れの下や垂れ壁など、立体的な場所に間接照明を設置してみましょう。
フローティング収納を取り入れる
フローティング収納とは壁に直接棚板を取り付けた収納のことで、棚を支える棚や金具が見えず床から浮いているように見える点が特徴です。
フローティング収納はデザイン性の高さだけでなく、部屋が広く見える、間接照明が生きる、床掃除がしやすくなるといったメリットがあります。高さを調節できるフローティング収納もあるので、取り入れる際は施工業者に相談してみましょう。
ふすまや障子を建具にする
障子やふすまは、デザインに気を付ければおしゃれにもなりますが、年月の経ったものだと古臭さを感じさせてしまう場合があります。
ふすまや障子の代わりにスリット格子やガラス張りの引き戸など、和室に合うデザインの建具を取り入れると、和洋折衷のモダンな雰囲気になります。最近では和風デザインの建具も多く販売されているので、気になる方はチェックしてみましょう。
和室リノベーションはDIYできる?
DIYに慣れた方の中には、和室リノベーションをDIYしたいと考える方もいるのではないでしょうか。単純に畳を剥がし、フローリング材を張るだけの作業であれば、そこまで難しくないと感じるかもしれません。
しかし、土台から改修が必要な場合や、床下に断熱材や吸湿剤を設置する場合は、DIYでは難しいでしょう。不十分なDIYをして、後々プロの修繕が必要になるケースも起こりえます。
住み心地を優先してリノベーションを行うのであれば、やはりプロの施工業者に依頼するのがおすすめです。
和室リノベーションでおしゃれな住まいを
和室のリノベーションにはさまざまなパターンがあります。洋室につくり変えるか、和モダンな空間に変身させるか、リビングに組み込むかなど、住まいの希望に合わせて自由に選べる点が魅力です。和室を生かしたまま内装だけを変えるリノベーションであれば、それほど費用も高額になりません。
和室リノベーションの実績が豊富な業者であれば、プランニングの相談にも乗ってくれるでしょう。和室リノベーションのイメージが膨らんだら、経験豊富な施工業者に問い合わせてみましょう。